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#29 焼酎の器の話。(2)

前回に続き、産地特有の酒器をご紹介します。

◆千代香(チョカ)
黒い黒千代香と白い白千代香の2種類。鹿児島のいも焼酎のお燗にはかかせない酒器。黒千代香の燗は、焼酎を水で好みの濃さに割り黒千代香に注ぎ、出来るだけ弱火で温めます。温め過ぎず、50℃くらいが適温。使い込むうちに焼酎が容器にしみこみ、水を温めるだけで焼酎の味がするほどに。そのため飲み終わっても水洗いしません。平ぺったい形は、桜島がモチーフだと言われています。なんだか可愛らしいですね。

◆ソラキュウ
コマのようにそこの部分が尖っていて、お酒を飲み干さなければ下に置けない杯。底の部分に穴をあけたものもあり、ソラッ!と差し出されキュッと飲み干すことからこの名がつけられました。

食中酒に向いている焼酎はどんな食べ物に合うのでしょう?

沖縄の泡盛には、もちろん沖縄料理のミミガーやゴーヤチャンプルーが合います。鹿児島のいも焼酎には、さつま揚げや黒豚のしゃぶしゃぶ、きびなごの刺身。熊本の球磨焼酎(米焼酎)には、豆腐の味噌漬けや団子汁、からし蓮根。大分の麦焼酎は、魚の頭などを茹でて水にさらし食べる頭料理や醤油につけたお刺身のおから和えのきらすまめしが酒の肴に絶好と言われます。

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千代香とソラキュウ

(*大石結子さん著『食卓の教科書。』(優しい食卓発行)から引用しています)