優しい食卓のホームページのテーブルコーディネートを検索。見れば見るほど、「勉強なんかできっこない」という気持ちが大きくなっていきます。
軽くテーブルコーディネートの勉強をレポートする大役を引き受けたものの、教科書を良く読めば読むほど、気が重くなりました。田部の日常生活は、テーブルコーディネートの華やかな世界とは差がありすぎです。だいたい、我が家にはセッティングをするための空間はもとより、食器さえありません。
八方ふさがりの重い気持ちを、上司へ正直に打ち明けてみました。
「自分のためのテーブルコーディネートというのもありますよ」
「え?......と、言いますと?」
編集長が意外な一言をくださいました。
「東京ドームのコンテストには華やかで夢にあふれた作品が並んでいるけど、テーブルコーディネートの本来の勉強の目的は、日常の暮らしを食空間を通して少しでも豊かにすることなんだよ。お客様をおもてなしするための大きなテーブルが無理なら、田部さん一人分の食卓で練習していけばいいんじゃないの?」
そうか!一人分のセッティングなら、なんとか作っていけそうです。次週より、一人分のテーブルセッティングをしていきます。