鯉のぼりを立て、武者の人形や鎧兜を飾って祝う、端午の節供は五節供のひとつです。菖蒲の節供とも呼ばれています。
わたしにとって5月5日は、家族みんなで菖蒲湯に入り、柏餅を食べる日。
鮮やかな緑色の菖蒲の葉の束が湯船に浮かんでいるのは、見た目にもフレッシュで、いい香りです。菖蒲には邪気を払う力があると信じられてきましたが、実際、根茎部分には精油が多く含まれ、薬性の効能があるそうです。
柏の葉をお皿代わりにして、お供え物を乗せて神へ捧げたことから生まれたのが柏餅です。柏の葉は新しい葉が出てくるまで落葉しないことから、「家系が途絶えない」という縁起担ぎの意味もあるそうです。
大きな川を上流まで登り切った鯉が龍になって天に昇ったという、中国の言い伝えが鯉のぼりの由来です。「少年よ、たくましく無事に育ってね」という願いが込められています。
年中行事の食べ物や風物には日本人の精神文化が形になったもの。意味を知ると柏餅にも、ただ美味しいだけではなく特別な味わいが加わります。
端午の節供をテーマにセミナーを開催します。 4月28日(月)13:30より、会場は優しい食卓セミナールームで行います。
内容は端午の節供の意味や由来、節供にちなんだ食空間のしつらえの講義と実践です。