右左問題で深刻なのは、お膳にお箸を並べるとき。いそいでぱっぱと置いた お箸を「左右逆さだよ」と、注意されることがよくあります。
そんな田部に編集長が選んだ最初の1冊は「親子で学ぶ食卓の基本」(女子栄養大学 香川芳子 監修 優しい食卓 編)です。

「子どもに家庭で教えておきたい、暮らしの上での大切な、マナー・食・もてなし方を一冊にまとめた本」で、とても優しくて分かりやすいです。
この本の特徴は図版が大きいところ。その図版に説明が加わっています。 テキストの分量は最小限と言ってもよいほど少なくてシンプル。 大切なことしか書いていません。
「お箸を右で持つから、ご飯は左手前、みそ汁のお椀は右手前」
「食事中はお茶碗を手にする回数が一番多くなるはず。両手の行き来が一番楽になるのがこの配置」
そうか!。
右左が逆だと、ご飯を取った左手がみそ椀に当たってこぼれる率 が多くなりますもんね。
「皿を持ち上げない」から主菜の魚は「右奥」なんだ。なるほど。そう覚えれば間違えないな。
日本食のルールの理由が頭に入った上でお箸を並べるようにします。
ご飯だけが先に盛られたり、おつゆだけが先に配られたり、忙しいときは、できたもの順に並べることになるのですが、一汁三菜の基本の 図が思い浮かぶようになると、間違いなく置けるようになりました。
ごはん左手前、お味噌汁右手前、右奥おかず、左奥副菜、と整然と置くよう にしただけで、家族がきちんと席に着くようになります。するとみんなが、ゆっ くり時間をかけて食事するようになりました。不思議なことですけど。
