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*その1 新入社員田部、テーブルコーディネートについて学ぶことになる

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 はじめまして。優しい食卓の新入社員の田部真奈と申します。

「食卓についてやさしく学ぶ」のコーナーを担当させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

 

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 わたし田部はテーブルコーディネートのことをまるで勉強したことがありません。優しい食卓の本と出会うまで、テーブルコーディネートに資格試験があることすら知りませんでした。

 昨年、東京ドームのテーブルウェアーフェスティバルのテーブルコーディネートを始めて見学して、「テレビドラマや映画に出てくる、上流のお屋敷の食卓」がこの日本に、リアルにあることにひっくりがえるほどの衝撃を受けました。

 センスのいいテーブルクロスやテーブルランナーがかかり、お皿やナイフとフォークがきらきら整列したテーブル。田部真奈の人生では、友人の結婚式の披露宴くらいでしかお目にかからなかったシーンです。

 正直に告白します。自分にはまったくかかわり合いのない世界。そのときはそう感じたのです。

 そんなわたしがなぜ「食卓についてやさしく学ぶ」の担当になったかを書きたいと思います。

 

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 ある日優しい食卓の編集長が言いました。

「テーブルコーディネートは決して一部の特別な世界のものではありません。むしろ、テーブルコーディネートには無縁だと思っている人に、テーブルコーディネートの美しさや作法について勉強してもらって、毎日の生活の楽しさの作り方に気がついてもらいたいんだ」

 テーブルコーディネートにまったく縁がないと思っている人代表、として、わたしがコーナー担当候補にあがったのです。

          

「えー!やさしくない食事ばっかりしているし、料理は下手だし、部屋は汚いし、わたしなんて資格ないですよ」

「そういう人にこそ、テーブルコーディネートを勉強してもらいたいんだよ。テーブルコーディネートは敷居が高いと思われてしまいがちなので、ホームページでテーブルコーディネートのことをまったく知らない初心者向けのコーナーをやってみたいんだ」

 東京ドームに展示されたテーブルコーディネート作品の情景と現在の自分の住環境とのギャップにくらくらしました。それと同時に下心も頭をもたげはじめました。

          

「テーブルコーディネートを勉強したら、いまのだらだら生活から脱皮できるかなあ」

          

 このままの生活じゃあいけないなあ、ぼんやり思っていたのです。はたして、東京ドームの展示作品のような生活が手に入るようになるのでしょうか?